早速英検5級のテキストの序盤から出てくるこのbe動詞。
結局私は中・高の6年間の英語の授業で、このbe動詞の正体をつかむことができませんでした。
日本語でいうと「~は」とか「~が」にあたるよみたいなふわっとした説明を受けた記憶はありますが、じゃあなんで「~は」が文頭にきて疑問文になるの?形が変わるの?と、そんな混乱を抱えて、忘れたまま大人になりました。
そして独学すると決めて真剣に英語と向き合い苦しんだ結果分かったことは、英語=日本語は成り立たねえということです。
英語には英語のルールがあり、そのルールを日本語のルールに当てはめようとしても無理なのです。
その最たるものの1つがこのbe動詞だと私は思います。
be動詞は訳せないどころか、同じ機能を持った日本語は存在しません。
be動詞=ある機能を持った単語
まずbe動詞を訳すのはあきらめましょう。
じゃあこのbe動詞はなぜ存在しているかというと、主語の聞き間違いを防ぎ、そして疑問文の場合、開口1番に何が聞きたいのかおおよその検討をつけさせるためです。
おそらくこれが一番納得できる、be動詞の存在意義だと思います。
英語は日本語と違ってとにかく誤解を生まない工夫が満載の言語です。
誰のことを言っているのか、1人なのか複数なのか、日本語ネイティブからするとそこまでせんでもなくらい曖昧さを排除しています。
I (私) なら am 、Ai (どこぞのアイさん) なら is 、Ai and I (アイさんと私) なら are と、万が一主語を聞いて?となってもbe動詞が理解を助けてくれます。
疑問文も同じです。
英語ネイティブ同士の会話でも、「何?もう1回言って?」が日常茶飯事な言語特有の大事な機能なんです。
be動詞は、動詞だった
びーどーし、びーどーしと、名前は大昔から知っているのに、皆さんこいつらが動詞の仲間であることを理解してましたか?
私は知ってましたが理解してませんでした。
私がこいつの正体に気がついたきっかけは、このbe動詞は動詞であると意識したからでした。
そう、大人なら誰もが知っている play、know、see などの仲間だったのです。
ただ私の認識では、be動詞は動詞界では特別扱い、貴族です。
be動詞だけnotより先に出てきていいんですから。
その他下界の者どもは一般動詞と呼ばれ、「否定の not 様」の親族である「don't 様」や「doesn't 様」がおでましの場合は、「主語」という文章の中の王様の横から外され、すごすごと下界へ帰ってゆくのです。
なんでもいいんです、覚えたもん勝ちです。
さらにこのbe動詞卿、性格が悪いので(ド主観です)、1つの文の中に他の動詞が入ってくるとお怒りになり、許してくれません。
そう、だからI am play tennis. などという文章は許されないのです。
そもそもbe動詞には「いる」や「~になる」みたいな意味もうっすらあったりするので、動詞がかぶっている上記の文章はアウトなんです。
ちなみに to や ing がついた動詞は「~すること」や「~するため」という、名詞に近い機能になるのでセーフです。
5級ではing形の文がそうですね。
ing形についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
よかったらどうぞ。
あと3級で出てくる、聞いたことある「過去分詞」なるやつらもセーフです。
まだしばらく忘れててもらって大丈夫です。
be動詞のbeはなんなの?
特に英語学習の序盤ではあまり出会うことがないbe動詞の「be」の形。
出てくる頻度低いくせにあの頻出の is、am、are そっちのけで名前に使ってもらっちゃって図々しいなと中学生のころから思ってました。
分かってなかったんですね、be動詞の真の姿を。
実は be こそがbe動詞の原形だったのです!
is、am、are、そして4級で出てくる過去形の was、were も be の仮の姿だったのです!
はい、あたりまえで常識の範囲なのかもしれませんが、意外とこの辺を頭の中で整理できてない人が多い気がします。
私もそうでした。
動詞って文の時制とか三単現の s とか付いていろいろ変化しますよね。
それと一緒です。
そしてここは動詞の原形じゃないとダメーな場所が、命令文(実際命令じゃない使い方が多いが)とか、助動詞(can とか will とか)と一緒の時とかなんです。
この時にいきなりすっぽんぽんの原形で登場するからみんなびっくりするんですよね。
Be quiet. とか I will be a doctor in the future. (4級)とか、急に be って何!?って私なりました。
他の一般動詞は原形を先に習って、それから変形を習うのですんなり理解できたんですが、be動詞だけは先に変形から出てきてたんですね。
ではこのちょっと複雑なbe事情を子供たちにどう伝えるか、レモネードも苦しみました。
お子さんに伝える時のポイント
特に低学年以下であれば読むことに集中するし、英語をその都度訳して伝えてなければ「この is ってなんじゃ?」とはならないかとは思いますが、be動詞の変化は理解してもらわないといけません。
まず私は日本と英語圏の国々の文化の違いを説明しました。
英語学習のいい所の1つは、日本以外にもたくさん人がいて、違う言葉と文化の中で生きているということをぼやっとでも知ることができる所だと思います。
将来は嫌でもその人たちに向けて商売しないと食っていけません。
日本はどんどん小さくなっていきますから。
なので一旦be動詞を置いておいて、この違いを丁寧に説明しましょう。
日本では同じ民族、同じ文化の中で、多少の方言はあっても同じ言語で、同じような常識を持ったたくさんの人が暮らしています。
なので多少言葉足らずでも曖昧でも、なんとなく通じてしまいます。
そして「和」を重んじる、ことなかれ主義が横行する我が国では、誤解があっても空気を読んで相手に伝えなかったりと、言葉でのコミュニケーションの価値がそれほど高くありません。
一方英語圏の他の国では、様々な文化を持ったいろいろな民族が、全く違う考え方を持った人間が、すぐ隣に住んでいるような状況です。
そこでは個人が持つ常識なんか通用しません。
とにかくしっかりコミュニケーションを取らないと、ちょっとした誤解が争いの種になってしまいます。
このような言語の根っこの文化の違いを理解すると、わざわざ主語や時制で形を変えるbe動詞にも他の動詞にも温情を施してやろうという気にもなります。
なりましょう。
このマインドセットを作ったら、あとは場数をこなして、100回ぐらい同じ説明をするだけです。
もうひたすら根気。
この前言ったよね!?は封印しましょう。
こんな複雑なことすぐに覚える子供の方がどうかしてます、と思いましょう。
I の時は am よ、you と2人以上の時は are よ、そしてあなた( you )でもない私( I )でもない、関係ない1人の人や物が is よ。×100です。
私2人に教えてるんで体感300回です。
まあいずれ小学校高学年になったら嫌でも学校で出会って成績に響くようになるので、それより下のお子さんをお持ちの保護者の方は覚悟して、淡々と伝え続けてください。
言い終わるまで10秒かかりません。
今日も言ってやって回数を稼いじゃいましょう。